
掛け軸は買取に出すことで思わぬ金額になることがあります
祖父母や両親から譲り受けたり、遺品整理などの際に出てくるけれども、どう扱ってよいのかわからないと困るものの一つに掛け軸が挙げられます。
特に祖父母が掛け軸を収集していたという人も多く、実は骨董品や日本画のように高値が付くケースもあります。
譲り受けたけれども興味がないからという理由で、捨ててしまおうと考えている人もいますが、簡単に捨てる前に鑑定や買取などを検討することをお勧めします。
中には有名作家によって書かれた品物である可能性も高く、このようなものの場合には数十万円から数百万円の高値が付くケースも見られます。
思ってもみなかったものに、思ってもみなかったような高値がつくこともあるので、意外なお宝を間違っても捨てないように、査定に臨んでみることをお勧めします。
掛け軸を買取に出すといっても、どこに依頼すればよいのかわからないという人も多いものです。
その値段や価値については、骨董品の買取専門店などの美術鑑定士により判定されることが一般的です。
美術鑑定士は資格を持っている人で、依頼された品物を本物かどうか偽物かどうかの判断を行うことができる人です。
買取店の中には何の資格も持たない一般的なスタッフが鑑定するケースもあり、このような場合には店側にとって価値がある商品かどうかという目線で査定額をつけてしまうことから、どんなに有名な一流作家によってえがかれた商品であっても、その価値が分からずに適当な査定金額をつけてしまうケースもあります。
鑑定士の資格を持っているスタッフがいない業者の場合には、うれしい高値が付くケースはほぼないと思っておいた方がよいでしょう。
祖父母や両親が大切にしてきた品物の価値を正しく判断してもらうためにも、資格を持ちしっかりとした査定基準が分かっている鑑定士が在籍している業者に依頼することが大切です。
依頼する業者が見つかったら、いよいよ査定してもらうことになりますが、その際にはできる限り高く買い取ってもらえる状態で依頼したいものです。
まず最初に保存状態について確認しておきましょう。
骨董品や古美術品などは、保存状態によって査定価格が大きく異なります。
全体に汚れや傷、シミなどはないかを確認しておくことが大切です。
確認してみて保存状態が良くないと思っても、価値がないだろうと判断して捨ててしまったり、自分で修復するなどのことは絶対にやめましょう。
できる限り高い査定額を提示してもらうためにも、いくつかのポイントがあります。
まず最初に、できる限りきれいな状態で査定を依頼するようにしましょう。
古美術品だからといって、ほこりなどが付いて古いほうがよいと感じる人もいるかもしれませんが、これは間違いです。
品物の価値で金額が決まることになりますが、ほこりやごみなどが付着しているのであれば、これらはきれいに落としておくことで、鑑定士の印象も良くなることでしょう。
その分査定金額に反映されるかもしれません。
また掛け軸を取り扱う時には、濡れている手や汚れた手では絶対に触らないようにしましょう。
これらはどんなに少しの水分であっても、しわやシミなどの原因にもなり、汚れや傷がつくと、実際は高価なものだとしても、それだけでかなりの価値が落ちてしまう原因となります。
掛け軸は非常に湿度の影響を受けやすいものであり、取り扱う際に濡れた手などで触ってしまうと、つれやシミなどの原因にもなりかねません。
床の間に飾り、花や置き物などが正面に重なるように置いている人もいるかもしれませんが、花などの花粉や水滴がつかないように十分な注意が必要です。
また湿度の変化によっても、状態はすぐに変化します。
エアコンの温かい風や冷たい風が直接当たらないようにも気をつけましょう。
湿度が高いのもよくありませんが、反対に極度に乾燥している状態も良くありません。
そして高い査定額を提示してもらうためのポイントとして、セットの箱があるのであれば一緒に持っていくようにしましょう。
一流作家によってえがかれた品物であれば、桐の箱などとセットになっていることが多いものです。
箱がないようであれば、有名作家の品物であれば、単体でも買い取ってもらうことはできるでしょう。
しかし外箱とセットで持参することで、さらなる価値がつくことになります。
押し入れや物置などに、木箱がたくさん保管されているといった場合には、査定に出す前にこのような場所に掛け軸が入っていた箱はないかどうか確認することが大切です。
そして買取品があまりにも多いようであれば、出張査定を利用することをお勧めします。
品物がたくさんある場合に、無理に自分で運ぼうとすると破れてしまり、しみをつけてしまう可能性も出てきます。
一流の品物がある家の場合には、同じような高い価値のある骨董品もそろっていることが多いので、このような場合には自宅に鑑定士に来てもらい、すべての商品をチェックして貰うのも一つの手段です。