産業医が求められるスキルの多さ

有名な企業で活躍している医療関係者のように、自分も多くの人の健康を支えられる人間になりたいと考えた方々は、産業医を目指すために勉強を始める事を推奨します。
快適な作業環境で仕事を続けるためには、専門的な立場から指導や助言を行う必要があるので、正しい知識をつけてから仕事を始める事が重要です。
産業保健の理念なども含めて学ぶためにも、医科大学などで勉強を続けて、労働衛生コンサルタント試験を受けてください。
医科大学を卒業した後に即戦力として仕事を始めるためにも、衛生委員会などの情報を学んでおく事をおすすめします。

従業員が50人以上いる企業は衛生委員会を設置する必要がある

従業員が50人以上いる企業は衛生委員会を設置する必要があり、産業医は衛生委員会に出席して意見を述べなければいけません。
毎月1回ほど企業が開催する委員会に出席して、大体30分から40分ほどの話を行う事になります。
構成員として出席するのが理想的ではありますが、担当者が議事録の作成と保存を任せる事もできるので、委員会に出席できなかった場合でも後から情報を共有する事は可能です。
衛生講話も業務の一部で社員に向けて研修を実施する事になり、健康教育の一環として企業や組織の要望により開催されています。

月1回の職場巡視も業務の一部で、職場環境を隅々までチェックしながら従業員の状態を確かめるのも産業医の役割です。
整理整頓や清掃に関する情報も確かめておく必要があり、不衛生な環境で従業員が働かされている場合は助言を送らなければいけません。
温度計や湿度計の設置なども提案しながら、快適な環境を用意できているのか確かめる事によって、従業員のストレスと疲労を減らす事が求められます。
照度を確認する作業を行う事もあり、暗すぎる部屋で作業をしている状態を改善しなければ、従業員の精神状態に悪い影響を及ぼす事になりかねません。

AEDや消火器といった緊急時に使用する道具の設置場所や、使用期限などの情報を確認する

AEDや消火器といった緊急時に使用する道具の設置場所や、使用期限などの情報を確認するのも重要な役割の一つです。
トイレの衛生環境が悪いだけでも多くの人のやる気が失われて、精神にも悪い影響が及ぶために助言を送る必要があります。
休憩室の衛生管理ができていない企業も多いので、休憩室から生ごみや冷蔵庫の状態なども含めてチェックして、的確なアドバイスを送ってください。
異臭が発生していたのが実はガス漏れが原因になっている可能性もあるので、産業医は臭いなどのチェック作業も入念に行う事が求められます。

健康診断書のチェックは特に重要な役割で、異常の所見があると判断された社員に対しては就業判定を行わなければいけません。
就業制限や休業が必要ではないか早期に確かめなければ、後から大きな問題が発生する可能性もあるので重要な役割だと言えます。
ストレスチェックのデータを見間違えるだけでも重大なミスに繋がりますから、これから医師として働きたいと考えている方々は、データを二重にチェックする練習も行ってください。
法令の改正によってストレスチェックは医師の押印は不要となりました。

従業員からの健康相談に的確なアドバイスを送ることも求められている

従業員からの健康相談に的確なアドバイスを送る事も求められており、長時間の労働が原因で肉体や精神に異常が出ている時に、休暇の取り方なども伝える事になります。
明らかに身体に異常が出ているにもかかわらず、休暇を取る事を嫌がる人も珍しくありません。
今の段階で休暇を取らなければ、この先どういった異変が発生する可能性があるのか伝える知識も求められます。
ストレスチェックで高ストレスと判断された人だけ健康相談を行う場合もあるので、健康相談だけで業務の時間を全て使う事はないと考えてください。

休職面談では体調不良による欠勤や、遅刻や早退が続いている方々と面談を行いながら、今後のスケジュールの調整について話し合う事になります。
仕事を休みたいと希望している従業員に対して、どう接するのが正しいのか分からない人のために、精神面のケアなども含めた勉強をしておかなければいけません。
医療関係者が精神面の支えになる事によって、休職希望者が早期に仕事に復帰できると言われており、企業にとっても重要な役割だと言えます。
休職中の給与や手当がある事も正確に伝えて、従業員の精神的な負担を減らしながら手続きを進めるためのサポートを行って、リワークプログラムの説明を行うのも役割の一部です。

まとめ

復職を希望している方々との面談も業務の一部で、復職後の労働条件に問題が発生しないか具体的に調べるスキルが求められます。
どのように職場の環境を変えるべきなのか企業側に助言をして、その通りに環境が変化しているのか確認する事が重要です。
勤務時間の軽減なども含めてアドバイスを送りながら、就業制限が具体的に実施されているのか確認してください。
産業医が求められている業務をこなす事によって、過剰な労働に苦しんでいる多くの従業員を救う事ができるので、とてもやりがいのある仕事だと多くの人から言われています。

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